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最高裁判所第三小法廷 昭和59年(あ)567号 判決 1985年3月26日

主文

本件上告を棄却する。

理由

弁護人東俊一の上告趣意第一は、憲法三一条違反をいうが、宅地建物取引業法四九条及び同法施行規則一八条一項の定める事項が不明確であるということはできないから、所論は前提を欠き、適法な上告理由に当たらない。

同上告趣意第二は、判例違反をいうが、原判決は所論引用の高等裁判所判例と相反する判断をしているものではないから、論旨は理由がない。

なお、宅地建物取引業法四九条にいう「帳簿」とは、本人の意思並びに客観的なその形式、記載内容及び保管状況から判断して、宅地建物取引業者がその業務に関し同条所定の事項を記載することを予定して備え付けたと認められる帳簿をいうものと解すべきであるから、これと同旨の見解のもとに、本件において、取引台帳が右「帳簿」に当たり、所論の手帳はそれに当たらないとした原審の判断は、相当である。

よって、刑訴法四〇八条により、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり判決する。

(裁判長裁判官 安岡滿彦 裁判官 伊藤正己 裁判官 木戸口久治 裁判官 長島 敦)

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